福島県立視覚支援学校
令和2年度 中学部卒業証書授与式
3月12日、本校体育館において卒業証書授与式が行われ、在校生、中学部教職員、寄宿舎指導員、保護者の見守る中、3名の卒業生が卒業証書を手にしました。自らが主役の晴れ舞台に、緊張しながらも引き締まった誇らしげな表情で式に臨む3名の姿が印象的でした。
校長からは、東日本大震災発生から10年目の春に卒業する卒業生たちに、
「10年前の昨日、東北、そして福島は未曽有の災害に見舞われました。終わりの見えない恐怖や悲しみに、私たちは言葉を失い、未来が遠のいたように見えました。しかし、あの時から、私たちは、人と人とのつながりと命の大切さを、より深く考えるようにもなりました。皆さんが扉を開けて、新しい道を歩み始めるにあたって、これまでの人とのつながりも併せて思い出してほしいと思います。そのうえでしっかり自分を見つめ、何がしたいのか、何ができるのかを考え続けてください。これからも人と人とのつながりを大切にしながら。あなたが一歩前に踏み出そうとすること。あなたたちとともにいる人たちの力にもなるはずです。」
と、励ましの言葉が贈られました。
在校生代表からは、3名の卒業生一人一人に対し、思い出と感謝の言葉が述べられ、
「先輩が卒業することも、明日から隣の教室に先輩がいないことも本当に寂しいです。しかし、先輩方にこれまで支えていただいたことを思い出しながら、これからは、私たちも強く優しい存在になれるよう、そして悔いのない学校生活を送るために努力していきたいと思います。」
と、新たな決意が表明されました。
卒業生代表は、入学時の期待に満ちた高揚感を懐かしく振り返り、協力や努力の素晴らしさを知った学校祭での合唱・合奏の発表の思い出や、コロナ禍の中、3日間の計画が日帰りに変更されながらも共に歩んできた仲間と、貴重な学びの時を過ごした修学旅行の思い出を、一瞬一瞬をたどるように語りました。教職員、寄宿舎の指導員への感謝の言葉に続き、これまで心の支えとなり、見守り、励ましてくださった保護者・家族へ心からの「ありがとう。」を伝えました。そして、後輩たちには
「授業や行事、部活を通して共に学び、過ごすことができ、とても楽しかってです。ありがとうございました。これからも互いに協力し合いながら、充実した中学生活が遅れることを心から祈っています。」
と、言葉が贈られました。最後に
「私たちはこの3年間で学んだことを糧に、自分の目標に向かってまた新たな一歩を踏み出します。私たちを支えてくださった方々との出会いは、かけがえのないものです。お世話になったすべての方々に感謝し、別れの言葉といたします。」
と述べ、3名の卒業生は中学部を後にしました。
新しい扉を開けて歩み出す3名の卒業生の前途に、幸多きことを祈ります。
たくさんのお祝いのお言葉や
お花を賜りました皆様に
心より御礼申し上げます。