🍇情報BOX🍐(第3弾) ○はじめに ここでは視覚障がい者(目の見えない人、見えにくい人)に少しでも役に立つような、また、広く視覚障がいに関する理解を深めるために役立つ、ちょっとした情報をお届けします。今回は第3弾ということで、視覚障がい者が使う「点字」についてお話しします。 ○点字って何? ところで皆さん!「点字」を見たことはありますか? 家電製品の操作ボタンや缶のアルコール飲料の飲み口付近にある点々が「点字」と呼ばれるものです。駅や市役所などの公共施設でもよく目にするため、触ったことがある方もいるのではないでしょうか。 点字は、表面のでこぼこを指でなぞることで読むことができるため、視覚障がい者が独力で読み書きできる極めて優れた触読文字であり、目の不自由な人にとっては、生活に欠かせない伝達方法の1つです。 視覚支援学校では、点字の教科書を用いて授業を受けることもあれば、図書室で点字の本を借りて読書を楽しむ児童・生徒もいます。 ちょっと気をつけて見てみると、色々なところに点字があることが分かります。皆さんも機会があれば、身の回りや街中にある点字を探して、ぜひ手で触れてみてください! 【写真1】はアルミ缶の上部を、 【写真2】はトイレの洗浄ボタンを 撮影したものです。どちらにも点字 が付いています。          ○点字が私たちの身の回りにたくさん       【写真1】アルミ缶の上部          あることが分かりますね!                                                                 【写真2】トイレの洗浄ボタン ○点字の歴史 現在、私たちの生活の中で使われている点字は、1825年、フランスのパリ訓盲院の生徒だった「ルイ・ブライユ」によって考え出されました。縦に3つ、横に2つの計6つの点を用いて、アルファベットや数字、記号などを表すことができます。 ちなみに点字発祥の地フランスでは、その生みの親であるルイ・ブライユの名をとって 「ブライユ」(英語では「ブレイル」)と呼ばれています。 そして、来年は点字制定200周年の記念すべき年であり、世界中で点字に関する様々なイベントが開催される予定です。皆さんの周りでも楽しいイベントが行われるかもしれませんね。ぜひチェックしてみてください。 一方、日本においては、1890年11月1日、東京盲唖学校の教員であった石川倉次に よって、ブライユが発明した点字を日本人向けに改良されたものが使われています。そのため、国内では11月1日は日本点字制定の日とされています。 ○点字の読み方・書き方 ここでは点字の読み書きの仕方を説明します。まず書き方ですが、書く際は用紙の右から左に文字を打っていきます。具体的には、点字器(【写真4】を参照)に用紙を置いて、点筆を使って点を打ったり、点字タイプライター(【写真5】を参照)を使ったりします。 次に読み方になりますが、用紙を裏返して左から右になぞって読んでいきます。なお点字は横書きのみで縦書きはありません そして、先ほど述べたとおり、点字は縦3個、横2個の計6つの点から成っています。その単位を「マス」と言います。左上が1の点、左中が2の点、左下が3の点、右上が4の点、右中が5の点、右下が6の点と呼びます。 これらの点を組み合わせて五十音、数字、アルファベット、記号などを表しており、濁 音や半濁音、拗音の場合は2マスを使用することが定められています。 例えば、「あ」は1の点、「い」は1の点と2の点であるため、それらを打つと「愛」と いう単語を作ることができます。  文章を作る場合は、単語の区切り目を明らかにするため、分かち書きをして表します。 また助詞の「は」は「わ」、「へ」は「え」と書きます。 (例)私は八百屋へ行ってりんごを買って食べた。    点字にすると→わたしわ□やおやえ□いって□りんごを□かって□たべた。 (※□はマスあけを表します。) 【写真3】点字50音表        ○点字を書くための機器 ●点   字   器・・・点字用紙を板に固定し、用紙を点字定規で挟み、上から点筆を 用いて点字を右から左へ打ちます。(【写真4】参照) ●点字タイプライター・・・6つのボタンが点字のそれぞれの1~6の点に対応しており、 同時に押すと点字を打つことができます。(【写真5】参照 【写真4】点字器            【写真5】点字タイプライター    左上は点字器の写真です。中央にある点筆を用いて、自分で用紙に点字を打ち込みます。 左下は点字タイプライターの写真です。点字タイプライターには用紙がセットされており、ボタンを押すことで点字が打てる状態となっています。 持ち運びに適しているのは点字器ですが、長い文章を作成する時は、楽に打つことができる点字タイプライターが適しています。   ○おわりに 今回は、視覚障がい者が使用する「点字」についてのお話でした! 中途で視覚障がい者になったため、点字の習得を希望する方は、点字の読み書きをサポートしている自治体や点訳ボランティアグループがありますので、お住いの市町村担当課や点字図書館までご相談ください。 また、以前から点字に関心があった方や、今回初めて点字に興味を持たれて点字に関するボランティアに参加してみたいという方は、ボランティア養成講座を受講することをおすすめします。詳しくは、お住いの市町村や点字図書館、点訳ボランティアグループにお問い合わせください。 これからも色々な情報をお届けしたいと思いますので、「○○ってどういうこと?」、 「○○について教えて」など、ご感想やご意見、ご要望がありましたら、下記代表アドレスまでお願いします。  ◎視覚支援学校代表アドレス:fukushima-sb@fcs.ed.jp