もっと知ろう!理療科 〜3年の修業の後、国家試験合格。いよいよ夢の実現、そして社会貢献へ〜 理療の分野で活躍する卒業生たち 1)W.T.さん(2017年度 専攻科理療科卒業)銀の森治療院院長・筑波技術大学客員研究員  私は小中学校教諭として23年間教壇に立ってきましたが、障がいが進行したため退職、46歳で視覚支援学校に入学しました。  3療資格取得後はより専門性の高い知識と技能を学ぶべく単身つくばへ。筑波技術大学大学院での研究、附属医療センターでの臨床に3年間邁進。2021年春、帰郷し「銀の森治療院」を開院。  現在、臨床とともに、医学論文や教育論説の執筆、学校を中心とした講演活動の日々を送っています。  新しい未来を創造する「種」は私たち自身の中にあります。そしてそれを芽吹かせる豊かな土壌と水、光たる環境が視覚支援学校にはあります。その「種」を私たち自身が発見し、この手で蒔く。勇気ある第一歩を踏み出し、まだ見ぬ未来へ! 2)H.R. さん(2013年度 専攻科理療科卒業)あさひ治療院院長  理療科卒業後は資格を活かして機能訓練指導員として高齢者施設に勤めていましたが、現在は鍼灸マッサージ治療院を開業し、日々患者さんの治療に努めています。  視覚支援学校理療科は、国家資格を取得するために学ぶ場であると同時に、「見えない世界」をうまく生きていく術を学ぶ場です。同じ「視覚障がい」を持つ仲間が集まる貴重な場所であり、孤独や悩みを分かち合いながら自分が成長できる素晴らしい環境でもあります。あなたの未来は明るい選択肢に溢れています。そして、必ずあなたは誰かの助けになることができます。 3)O.E.さん(2019年度 専攻科理療科卒業) 日本テキサスインスツルメンツ合同会社会津工場 マッサージルーム(ヘルスキーパー)        網膜色素変性症により徐々に30代で視力低下し、正確さが求められる設計の仕事ができなくなりました。仕事も目標も夢も失い、荒んだ生活をしていた時期もありました。しかし、必ずもう一度自分の力で社会に戻り、仕事をすると心に誓いました。  そんな時にハローワークから視覚支援学校を紹介され、視覚障がいがあっても国家資格を取得して、新たな人生のチャンスがあるのだと知り、理療科に入学しました。20数年ぶりの勉強も心に決めたこと。周囲に支えられながら、自分のペースで勉強ができ、3つの国家資格を得て、現在、理療師として充実した仕事をしています。  人生一度きりです。覚悟を持ってこれからの生き方を見つけてほしいと思います。必ず道は拓かれます。 4)H.T. さん(2018年専攻科理療科卒業)特別養護老人ホーム 玉川ホーム 機能訓練指導員         理療科入学前、私は介護士として働いていました。徐々に視力低下がみられ、介護の仕事が続けられるか不安だった時に、偶然テレビで見た盲学校弁論大会で優勝した理療科生の挑戦し続ける姿に感銘を受け、専攻科に入学しました。  在学中は部活や生徒会など、社会人として働いている時には味わえないことを多々経験したこともいい思い出です。  現在は機能訓練指導員として働いており、やりがいと充実感を感じています。この仕事は筋力や体力が低下した高齢者への運動療法で、身体機能の維持・向上を図りますが、前職の介護職の経験が生かされ、また学校で学んだ解剖学や生理学、リハビリテーション医学などの知識が今の仕事にも役立っています。 5)W.M.さん(2013年専攻科理療科卒業)宮城県立視覚支援学校理療科 教諭  自分の視覚障がいに悩み、生き方を模索していた時期に視覚支援学校の教育相談を受けたことがきっかけで理療科に入学しました。理療科の3年間はとても充実していました。先生方からは理療の面白さを、同級生や先輩からは、実技練習や学校行事等を通じて、共に学ぶ楽しさと視覚障がいがあっても前を向いて努力する勇気を学びました。  卒業後は筑波大学理療科教員養成施設に進学し、教員免許を取得しました。今は、学生時代に教わった理療の面白さ・視覚に障がいがあっても学ぶことができることへの感謝の気持ちを少しでも生徒に還元できるように教壇に立っています。一人でも多くの方に、理療科で生きがいを見つけてほしいと思っています。   6)S.Y.さん (2020年 専攻科理療科卒業)ファーマライズ薬局 マッサージ師・はり師  かつて私は、人に笑顔になってもらえることがうれしくて、栄養士を目指していましたが、視覚障がいのために夢を諦めなければなりませんでした。  理療科入学当初は、少し不安なところもありましたが、個性的な仲間と信頼できる先生方に囲まれ、充実した学生生活を過ごすことができました。  現在は、薬局内にある鍼灸マッサージ院の施術者として勤務しています。施術者として働く中で、この仕事が人の痛みを和らげ、そして笑顔になってもらえる仕事なのだと日々実感しています。そして、職種は違っても自分の夢をかなえることができ、今はとてもやりがいを    感じています。 7)S.A.さん(2014年専攻科理療科卒業)フレアス在宅マッサージ 鍼灸マッサージ師  眼の疾患で仕事を続けていけるか悩んでいた時、視覚支援学校の存在を知り入学しました。約20年振りの学校は、様々な年代のクラスメイトとともに医学の勉強や実技を学び、放課後の部活動で汗を流すなど、楽しく充実した3年間を過ごせました。  国家資格取得後は、治療院勤務を経て、現在は訪問マッサージに従事しています。訪問マッサージは疾患のある高齢者や障がいをお持ちの方々に在宅でマッサージや鍼灸を提供する仕事です。  利用者さんの方々からは多くの感謝の言葉をいただいており、私もその期待に応えるべく日々勉強の毎日を送っています。今後も利用者さんやそのご家族から信頼される施術師を目指していきたいと思っています。 8)M.S.さん(2017年専攻科理療科卒業)LINE株式会社 ヘルスキーパー  現在、私はヘルスキーパーとして勤務しています。  ヘルスキーパーは、企業内マッサージ師とも呼ばれ、社員の方に施術を行い、疲労回復、健康増進により業務効率につなげるサポーター的役割を担います。  視覚障がいで悩んでいる方で、将来が不安な方も多いと思います。実際私も、本当に目指したいものを断念して理療の道に進みました。辛いこと、苦しいことはたくさんありました。  しかし、それでも私たちは生きていかなければなりません。  限られた選択肢の中で、もがき苦しみながらも自分が進むべき道を見出した時、人生の色が明るい色に変わっていくこともあります。このメッセージが皆さんの人生の色が変わるきっかけになれば。 9)S.H. さん(2018年度 専攻科理療科卒業) 福島県立視覚支援学校理療科 実習助手             現在、私は母校の実習助手として、見えない・見えにくい生徒のみなさんが実習や授業などに集中できるよう環境整備に努めています。  入学前は、視覚障害があることを隠し、ずいぶんと窮屈な生活を送っていましたが、学校では同じ悩みを持つ先輩や後輩、先生方との交流は自らの障がいの受容の助けになりました。それは、【自らの力では変えることができない障がいについて悩むことは無駄である。そして、今後の人生を決めるのは、過去の歩みではなく、「今、ここにいる自分である」】ということに気づいたことです。  実習や部活動においても、みなさんの新たなる一歩をサポートできることを楽しみにしています。 10)M.T.さん(2020年保健理療科卒業)医療法人社団敬愛会 セントラルクリニック 機能訓練指導員 『Life of Challenge 人生は挑戦なり』  私は現在、クリニックのリハビリ科に所属し、マッサージを通して高齢者の拘縮予防、歩行訓練などの機能訓練業務に携わっています。マッサージで痛みの緩和ができたり、リハビリで寝たきりだった利用者さんが立てるようになったり、日常生活に戻っていく様子を肌で感じることができ、この仕事にやりがいを感じています。今後はさらに運動療法機能訓練士の資格取得という次の道へと挑戦しようと思っています。  視覚支援学校では、視覚障がいのプロ集団の先生たちが全力で社会への道をサポートしてくれます。きっと皆さんの挑戦が、その道の先にいろいろな道を皆さん自身が作っていくことになると思います。 視覚支援学校理療科は「職業課程」です。 見えづらい成人の方も入学できます! 教育相談・入学に関する問い合わせ先 〒960−8002 福島県福島市森合町6−34 福 島 県 立 視 覚 支 援 学 校(理療科または地域支援センター) 電 話:024−534−2574 FAX :024−533−2470 ホームページアドレス http://fukushima-sb.fcs.ed.jp (教育相談担当者直通電話:080−7347−3908)