✨情報BOX✨(第2弾) はじめに ここでは視覚障がい者(目の見えない人、見えにくい人)に少しでも役に立つような、また、広く視覚障がいに関する理解を深めるために役立つ、ちょっとした情報をお届けします。今回は第2弾ということで、視覚障がい者の読書について紹介します! 視覚に障がいを持っていても本が読めるの?と疑問に思う人もいるかもしれません。障がいの程度によって違いがありますが、本屋さんで売っている墨字(活字)の図書の文字が見えない、または見えにくい方は、「拡大図書」、「点字図書」、「デイジー図書」と呼ばれる図書で読書を楽しんでいます。それぞれの説明は次のとおりです。 ●拡大図書・・・文字を大きくした墨字の図書で、通常の図書に比べサイズも大きく なります。 ●点字図書・・・点字で書かれた図書です。凹凸があるため、墨字の本に比べ厚みがあります。 ●デイジー図書・・・デイジー*¹形式で録音された音訳図書で、主にCD図書として専用の機器を使って耳で楽しみます。 *¹デイジー(daisy)・・・digital accessible information systemの略で様々なネットワークにアクセスが可能なシステムのこと。デジタル録音図書を実用 化するための国際標準規格で、CD1枚に数十時間の録音が可能。   ⬅通常の文庫本(左側)と拡大図書(右側)を並べています。拡大図書は文庫本に比べ、文字と本自体のサイズが大きくなっていることが分かります。   【写真1】拡大図書 上で示した3つの図書は点字図書館で借りて読むことができます。また、一部の公共図書 館でも貸し出しを行っているところがあります。 これらの図書は、多くがボランティアの手によって作られているため、数が少なく一般的 な本屋さんなどでは販売されていません。またデイジー図書を聴くためには次のいずれかの機器が必要となります。  ➀プレクストークPTR3(卓上型デイジー図書録音再生機 85,000円) ②プレクストークPTN3(卓上型デイジー図書再生機  48,000円))  ③センスプレーヤー(携帯型OCRマルチプレーヤー 99,800円)  ④ボイスオブデイジー5(スマートフォンアプリ 3,000円)   ※➀~③の機器は市町村が実施している「日常生活用具給付等事業」の対象機器となっており、公費の助成があります。④については、対応デバイスがiPhoneとiPadのみとなっています。パソコン(Windows)で聴くためには、「ネットプレスクトークプロ」(12,100円)といった専用ソフトを購入するほか、Microsoft Edgeからサピエ(下記に説明あり)にアクセスし、 ダウンロードしたデータを再生するなどの方法があります。 ⬅センスプレーヤーは黒いリモコンの様な見た目をしており、スマートフォン位の大きさです。プレクストークは大きさが固定電話ほどで、内部にCDを入れることでそのデータを聞くことができます。 【写真2】センスプレーヤー(左側)とプレクストークPTN3(右側)   ●サピエ  視覚障がい者及び視覚による表現の認識が困難な方々に、点字・デイジーデータ等、その他さまざまな情報を提供する総合ネットワークです。インターネットを通じて、視覚障がい者、全国の点字図書館、一部の公共図書館、点訳音訳ボランティアグループ等をつないでいます。  個人でもサピエに登録をすれば、読みたい本を検索し、点字・デイジー等のデータを自由にダウンロードすることができます。センスプレーヤーなど上記で紹介した機器を使ってデイジー図書を聴いたり、墨字から点字に翻訳したデータを読むことができます。 ※プレクストークPTR3やセンスプレーヤー、ボイスオブデイジー5は直接サピエに繋いでデータをダウンロードできますが、プレクストークPTN3のみサピエに対応しておりませんのでご注意ください。 おわりに 今回は、視覚障がい者の読書についてのお話でした! いかがだったでしょうか。拡大図書や点字図書、デイジー図書など視覚に障がいがあっても読書を楽しむ方法はたくさんあります! また、普通の文字の大きさの本であっても、ルーペや拡大読書器、第1弾で紹介したスマートフォンアプリなどを使って読書をすることが可能です。ルーペや拡大読書器も「日常生活用具給付等事業」の対象となっており、公費の助成があります。購入を検討している方はお住まいの市町村に相談してみてください。