福島県立視覚支援学校 地域支援センター 目の相談室 のびのび だより R5.6月発行    色とりどりの紫陽花が、きれいに花を咲かせる季節となりました。皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。  今年度も「地域支援センター 目の相談室 のびのび」では、県内各地でさまざまな教育相談を実施しております。今回の「のびのびだより」では、本校地域支援センターが実施している教育相談の中から、訪問相談支援と来校相談支援について御紹介します。 ※※アジサイ、カタツムリ、傘、テルテル坊主のイラスト。 <訪問相談>  視覚支援学校地域支援センターでは、福島県の「ふくしまの誰一人取り残さない教育体制整備事業」の小事業「地域支援体制整備事業」により、訪問相談を行っています。幼稚園、小・中学校、高等学校、市町村教育委員会等からの依頼のもと、教育事務所からの要請により実施されます。これには、大きく分けて、相談支援と研修支援があります。 1 相談支援  視覚障がいのある幼児児童生徒が在籍する学校の教員に対して、相談支援を実施しています。見えにくさに配慮した授業の工夫、教室環境の設定、補助具の指導の仕方、進路についての相談等が多いです。担当の先生の指導方針や学校としての校内体制を確認しながら、一人一人がよりよい学校生活を送れるように支援しています。特に、単眼鏡、ルーペ、拡大読書器等の視覚補助具の選定と指導に関してのニーズが高く、これは本校地域支援センターの特色と言える相談支援内容です。  また、どんな見え方をしているかについての相談も多いため、直接、幼児児童生徒に対する視機能評価等を実施し、その結果からどんな見え方をしていてどんな配慮が有効なのかお話しさせていただくこともあります。医大眼科等の医療機関とも情報交換し、個々の眼疾患に合わせた適切な情報提供を心がけています。  近年は、就学に関する相談も多く寄せられています。視覚障がいは、早期から診断されることが多く、市町村教育委員会の早期相談より先に本校とつながる場合が多くあります。そのため、就学までの流れを保護者に説明しながら、適宜、市町村教育委員会と連携し、円滑に就学先へ支援をつなげられるようサポートしています。 *令和4年度に実施した相談支援先の一例   私立幼稚園、福島市立小学校、二本松市立小学校、田村市立小学校、郡山市立小学校、   いわき市立小学校、南会津町立小学校、白河市立中学校   など 2 研修支援  研修支援は、視覚障がい児が在籍する学校等や市町村教育委員会からの要請が多いです。対象となるお子さんの見え方を全教員で共通理解して、学校全体で指導に当たろうとする熱心な先生方が多いため、その期待に応えるため、我々も理論だけでなく、体験的な演習なども考えながら研修内容を準備しています。見えにくさから推測される困難と教育上の配慮について、シミュレーションゴーグル着用による視覚障がい体験、視覚補助具の使用体験等をテーマとして、研修会の講師を担当しています。 *令和4年度に実施した研修支援先の一例      鏡石町立教育委員会特別支援教育支援員研修会、田村市立小学校校内研修会、   白河市立中学校校内研修会  など <来校相談>  現在行っている、来校相談の主な内容をご紹介します。 1 幼児の単眼鏡練習  小学校入学前に、単眼鏡を使って板書を素早く読んだり、読んだものをノートに書いたりする練習をします。月に1回程度継続的に通い、お子さんのペースに合わせて楽しく練習しています。読む文字をみつけ、ピントを合わせて読むことは大変ですが、慣れてくると素早くできるようになります。お子さんたちは、同じクラスのみんなと同じスピードで学習できるように、単眼鏡の練習を頑張っています。 ※※本校プレイルームで、児童用机の位置から見た黒板の写真。 2 のびのび保護者勉強会  視覚に障がいのある乳幼児〜児童をもつ保護者の方対象に、年4回実施しています。  1回目は6月9日(金)に開催し、3名の保護者が参加されました。テーマは、「主に地域の小学校で学ぶお子さんの支援について〜視覚補助具の活用〜」です。ルーペ、単眼鏡、拡大読書器を使って読み書きやいろんな絵や図、植物の観察などを体験しました。  和気あいあいとした雰囲気の中、お子さんの小学校での学びの様子やお友達とのこと、家庭での悩みなどの情報交換も行いました。同じ立場の保護者として共感する部分も多く、有意義な勉強会となりました。  勉強会を通して、保護者さん同士の交流も深まればと考えています。 ※※座卓に、ルーペや単眼鏡、ビジュアルイーズ(ノート)など置いてある写真。 ☆いずれの相談支援も、福島県内すべての地区、すべての幼児児童生徒を対象に支援を 行っています。 福島県内に視覚支援学校は1校のみです。「本校から離れているから視覚障がい教育 を受けられない」ということのないよう、すべての地区のすべての幼児児童生徒に、この専門的な教育を届けるのが本校地域支援センターの役割です。数が多いか少ないか、距離が遠いか近いかの問題ではありません。 県の事業名にある通り、まさに「誰一人取り残さない」ために、訪問相談に取り組んでいきたいと思っています。 ※※直立している、かわいいパンダのイラスト。 地域支援センター 目の相談室 のびのび 相談専用 TEL 080−7347−3908   mail shien-gr@fcs.ed.jp ※ 地域支援センターは県立視覚支援学校内に設置されています。 〒960-8002 福島市森合町6−34   TEL 024-534-2574  FAX 024-533-2470 URL https://fukushima-sb.fcs.ed.jp 以上。