福島県立視覚支援学校
生徒の活動
節分~寄宿舎~
2月3日節分の日に合わせ、寄宿舎では2月2日(木)に豆まきを行いました。今年度は、厄年を迎えた舎生に各居室へ豆をまいてもらいました。「鬼は外、福は内」と、邪気や災厄を祓い、無病息災を願いました。
令和4年度臨床体験発表会開催される
当初、12月22日(木)に予定されていた臨床体験発表会がコロナ禍の影響で延期となり1月19日(木)に実施されました。本来であれば、筑波技術大学准教授の近藤 宏先生においでいただき開催する予定でしたが、近藤先生にはリモートにより御指導をいただくこととなりました。
この発表会は、理療科の生徒が日頃の臨床実習で興味を持った症例や授業等で学習した事柄で疑問に感じたことなどを探究し、それをまとめて発表するものです。実験調査研究で保理科2年と専攻科2年がそれぞれ1題、症例研究で保理科3年が1題、専攻科3年が4題、専攻科1年からは、訪問マッサージの経験を「14年間の臨床経験から」と題して発表が行われました。内容として、筋疲労に対するマッサージ等の効果や体温に及ぼす影響を調べる実験研究や五行スコアと嗜好の味との関係についての調査研究、症例研究では、腰痛、浮腫、VDT症候群、頭痛等に対する理療施術の効果を検証する臨床研究など多岐にわたるものとなりました。発表に対しては、生徒及び教員からも多くの質問が出され、活発な討議がなされました。その中で、「14年間の臨床体験から」の発表においては、実際の臨床場面での失敗談なども語られ、臨床の難しさなどをリアルに感じさせるものとなりました。
最後には、筑波技術大学の近藤先生から、一人ひとりの発表に対し、指導助言をいただきました。近藤先生には、それぞれの発表の優れた点や研究の意義などをお話しいただき、今後の学習に大いにつながるものとなりました。本来であれば、午後に近藤先生の実技講習会が予定されていましたが、コロナ禍で中止となったことは大変残念でした。
令和4年度 第3回職業・作業製品販売会
令和5年1月17日(火)に、普通科1年2組と2年2組生徒で、「大きなポチ袋」の販売会を寄宿舎の娯楽室で行いました。今回は、寄宿舎の職員に30セット完売を目標に販売しました。今年度3回目の販売会ということもあり、1回目、2回目の反省を活かし、接客や金銭の取り扱い、商品の受け渡しなど生徒一人一人が自分の課題を理解しながら、見通しをもって実践することができました。また、自分達が製作した職業・作業製品を販売することで、働くことへの興味関心を深め、主体的な態度を段階的に育むことができました。
「大きなポチ袋」 ・点字用紙をリサイクルした紙工製品です。 ・折らずにお札を入れることができます。 ・マーブリングと点字による模様は、世界に1つだけのポチ袋です。 |
令和4年度後期文字能力テスト(第86回)
漢字の読み書き、点字の読み書きの向上を目指して、12月15日(木)に文字能力テストを行いました。
中学部、高等部普通科の墨字使用者は、漢字の読み書きテストを行いました。斜面机や拡大読書器などを使用した見やすい環境の下、前回合格した級のさらに一つ上の級を目指して、真剣な表情で取り組みました。
点字使用者は、点字盤、パーキンスブレイラーそれぞれを使い、五十音書き、転写、聴写、速読に挑みました。小学部2、3年生は、高等部3年生と共に五十音書き、速読に取り組みました。
小学部の児童は、卒業間際の先輩の姿に「こんなに速く読み書きできるんだ!」と驚き、先輩の点筆の音を記憶に刻み込みました。先輩に、速読のコツも伝授してもらいました。
高等部普通科の点字使用者は、文字能力テスト終了後の残り時間を、点字つきおやじギャグかるたで楽しみました。
かるたを目の前の台に固定して、速くとるという、団体戦で盛り上がりました。
高等部3年生と小学部2、3年生で、速読の練習をしました。 |
テスト後は、おやじギャグかるたで白熱!「トイレにいっといれ!」 |
令和4年度 第3回命と心の健康教室(薬物乱用防止教室)
12月7日に学校薬剤師の佐藤晋作先生を講師に迎え、第3回命と心の健康教室(薬物乱用防止教室)が行われました。
医薬品の正しい使用方法や薬の主作用・副作用、血中濃度と効果の違いについて、また、後半は薬物の耐性と依存性の恐ろしさや麻薬に関する国際条約についての話がありました。
今回は中学部、普通科、保健理療科生が対象で、点字、拡大文字のプリント、タブレットのデータ資料から自分の見え方に応じたものを選択して参加しました。
講話の終盤でWHO(世界保健機関)の「健康」についての意味「健康とは病気がないとか弱っていないというだけではなく、肉体的、精神的、社会的に完全に満足な状態であること」を再確認した後、佐藤先生より「健康な身体で自分の夢や目標にむかってがんばっていきましょう」と激励の言葉がありました。
生徒たちからは「これからも薬を正しく服用したい。」「薬物乱用の恐ろしさが分かった。」という感想が出されました。
最後に生徒会長が、「ドラマやアニメなども絡めてわかりやすく説明してくださりありがとうございました。」とお礼の言葉を述べました。
後期進路週間「職業講話」
後期進路週間中の11月9日(水)、令和元年度専攻科卒業の小椋栄二先生を講師に招いて、高等部普通科、保健理療科、専攻科理療科の生徒を対象に「職業講話」を行いました。
小椋先生は現在、会津若松市にある日本テキサスインスツルメンツ会津工場でヘルスキーパー(企業内マッサージ師)として勤務されています。
今回の講話では、まず現在の業務内容(1日の流れ)や工場内でのマッサージルームの立ち上げにあたっての苦労話からはじまり、「なぜ働くのか?」「働くこととはどういうことか?」「働きがいとは?」などの働くことの基本から、視覚障がい者として働くことの大変さや、学生のうちにやっておくべきこと、特に国家試験に向けての心のつくり方など、時に熱く、特にユーモアや冗談を交えてお話しいただきました。
生徒たちからも、
「社会に出るためには自分の強みとなる武器がいる=国家資格」
「心にしみるありがたい言葉をいただき、自分に少し自信がもてるようになった」
「国家試験に合格するためのモチベーションの上げ方や1年生で習った解剖学や生理学といった基礎科目の重要さを改めて確認できた」
「働くという事の大変さを改めて理解できた」
「資格があれば視覚障がいでも頑張れる事が分かったので、日々努力していきたい」などの感想があり、小椋先生の言葉に刺激を受け、それぞれの進路実現に向け、みな前向きな気持ちになった様子でした。
卒業生の「生の声」は生徒たちの心にストレートに響く声そのものだと感じました。
( 時に熱く、特にユーモアや冗談を交えて講演される小椋栄二先生)
後期進路週間「高等部職場見学・体験・校外実習」
高等部は1・2年生が「スポーツ用品小売店」、「就労継続支援B型事業所」、「生活介護事業所」に行き、それぞれの生徒が、将来に向けて様々な体験をすることができました。
見えにくいという困難さがある中で、それぞれの生徒のニーズに応じた職場や事業所での仕事や生活を通して、自分の進路や適性について理解を深め、将来の就労や日常生活に向けての見通しをもつことができました。また、社会の様々な人との関わりで、視覚障がいへの理解や啓発につながる機会にもなりました。
保護者の皆様、各事業所や関係機関の方々にたくさんの御協力をいただき、ありがとうございました。
後期進路週間「中学部職場見学」
11月18日金曜日、中学部1学年の生徒が飯坂線桜水駅に職場見学に行きました。
職場見学では、運転手や車掌の業務の説明の他、車庫の中の様子をはじめ、車両点検や線路の保守点検、運行管理業務など様々な仕事の様子を見学させていただくことができました。
職員の方から「電車の仕事というと、運転士や車掌の仕事を思い浮かべるかもしれない。しかし、安全に運行するためには、雨量や風力の確認、車両・線路の修理や点検、電車同士が衝突して事故を起こさないように、位置を確認して指示を出す仕事も欠かせない。お客様には見えないところで働いている、たくさんの人の協力が必要だということを忘れないで欲しい。」という言葉を伺い、見学後には委員会活動での話し合いの際に、以前よりも積極的に発言したり、学部の仲間と協力しようとしたりする様子がみられるようになりました。
令和5年度 高等部入学者選抜募集要項
「点字ブロックは私たちにとって大切な『道』です!」
「点字ブロックは私たちにとって大切な『道』です!」
~点字ブロック理解推進キャンペーン~
11月2日(水)、本校PTA主催の「点字ブロック理解推進キャンペーン」が開催されました。
点字ブロックは、目に障がいをもつ人にとって大切な『道』です。このキャンペーンは一人でも多くの方に点字ブロックの大切さを知ってもらおうと、10年前から行っている活動です。これまでも児童生徒が考えたメッセージを入れたポケットティッシュを多くの人に渡すことで、点字ブロックの大切さを伝えてきました。
3年前からは、学校周辺の商店等にメッセージ入りのポケットティッシュやチラシをお配りし、店内に置いていただき啓発の御協力をお願いしています。商店の方々も、毎年快く対応して下さり、児童生徒たちの励みになっています。
当日は、キャンペーンのシンボルである黄色いのぼり旗を目印に、小学部・中学部・高等部普通科の児童生徒および保護者、教員が集合しました。黄色いたすきをかけ、校長先生のお話の後、学校を出発し、商店等にお願いをしてきました。
地域の皆様にも優しく対応していただき、当初の目的に加え、地域とのつながりをいっそう強くできた活動となりました。
【キャンペーン活動の様子】
当日はテレビ局や新聞社の取材が入りました。児童生徒は緊張しながらも、自分の担当の方々に向け、点字ブロックの大切さを伝えることができたようです。
また、11月中は理療科の患者さんや、来校者の皆さんに向けて、ポケットティッシュを配付して啓発を続けています。
生徒会でも本キャンペーンに積極的に協力していますので、その様子は今後お知らせしていきます。お楽しみに!
『点字ブロックの上に 車や自転車を止めないでね!』 by邪気軍団 |